感情論で犯罪を語るべきではない

はじめに

 どうも、メルヘンです。実は法学部で法律を学んでいる人です。

今回は近年の事件が起きた時の大衆の反応に関して、色々とケチをつけたい事があるので、ケチつけます。

 

そもそも犯罪の定義とは

 事件が起きてニュース等で報道されると、コイツは上級国民だから逮捕できないとか、何故犯罪者を擁護する?とか犯罪者を擁護する奴も犯罪者といった言葉を、さも正論かの様に誤解して振りかざしている方が多く見られます。

よくこんな1+1は実は100なんだよ(ドヤァ)並の頓珍漢な事を誰が見てもおかしくない場所にドヤ顔で書けるよなっていうのが筆者の個人的な感想です。

犯罪の定義を理解している方が少なすぎます。

まず、犯罪の定義を簡単に述べると「構成要件に該当し、違法かつ有責な行為」です。

これを聞くと「いや、そんな事とっくに分かってんだよ」「つまり法律を犯した悪い奴が犯罪者なんだろ??」って反応をする方が多いと思います。

 

全く違います。

 

分かりやすく、具体的な例で誰もが知っている有名な刑法199条殺人罪を用いて説明します。

細かく説明すると滅茶苦茶長くなるので大まかに解説します。気になる方はWikiとか読んでください。

犯罪の定義は①構成要件 ②違法性の有無 ③有責性の有無の三段階で成り立っています。

まず、①の構成要件、これは殺人罪で言うところの「人を殺す」ことです。この、殺人行為が起きなければ、①の構成要件は満たされないので第一段階で殺人罪は成立しませんね。

では、次に②の違法性の有無。こちらはその殺人行為に違法性があるのか、ないのかって話です。

「いや、人を殺したら違法だろ」って思う方もいると思いますが、正当防衛が成立した場合は違法性は無いと判断され、殺人罪は成立しません。無罪となります。

最後に③の有責性の有無。こちらは違法性も肯定されたが、責任能力が問えないよねって場合は無罪になるって話です。例えば、精神的な病を持っており、錯乱状態にあり正常な判断能力が失われている時は責任能力が問えないよねってなります。

ただし、飲酒や薬物乱用での精神的錯乱の場合はお前の意思で行った行動で判断能力低下してるだけじゃねぇかとなり、責任能力が問われます。

 簡単に説明すると、この三段階が犯罪の定義となります。

正当防衛が成立するのはどういった場合なのかといった話が気になる方は、個人で調べてください。

つまり、犯罪が成立するのは裁判で判決が下された時です。

更に推定無罪という基本原則があり、有罪と判決が下されるまでは誰でも無罪だよとなっています。

そうです。逮捕されただけでは犯罪者にはなりません。

 

 何故、大衆は犯罪者のレッテル貼りが大好きなのか

 では、こういった推定無罪の原則や犯罪の定義がきちんと決まっているにも関わらずに、何故、犯罪者でもない人間に対して「お前は犯罪者だ!!」と喚きたがる人間が多いのか。

まず、純粋に無知である事。

単純に法律をきっちりと学ぶ機会が無く、ドラマや雰囲気だけで悪い事なんだなぁ程度の認識しかしていないってパターンですね。こちらはしっかり勉強すれば良いだけの話です。

次に、感情論語っている事。

これは最悪です。無知で尚且つ感情論で語る組み合わせは本当に最悪だと思います。

それは何故か。

感情論で語る人間は自分の感じた事が全て正論で、自分の価値観が絶対的に正しいと信じて疑わずに話すからです。

つまり、正義の暴走ですね。

この人達はしっかりと明文化されており、国によって整えられた歴史ある制度よりも、たかが数十年程度生きて身に着けた動物的な本能を正義だと信じて疑いません。

ある種の宗教ですね。

これで、相手の社会的な評価を下げて、自分は良い奴だ!!と自慰行為をして自分に泥酔しているので滅茶苦茶性質が悪いです。

ついでに頭も悪いです。

こういう事をしている方に親切心で教えてあげますが、名誉棄損罪で訴えられてもおかしくないので、賢く生きる事をオススメします。

 

最後に

 法律というのは、理知的に語るべきモノであり、判断するモノです。

一時の感情に身を委ねて暴走するのは止めましょう。そんなのはただの獣です。

大体、自分に全く関係ない奴の身に起きている出来事にそこまで感情移入しちゃうのは異常だと思うよ。

今回は割とまともな事を書いてみました。

こういう知識で馬鹿に対してマウント取るの気持ち良いよねーーーーー